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武部 愼一; 山本 忠利; 和達 嘉樹
JAERI-M 8824, 14 Pages, 1980/04
本報は、放射性廃棄物の陸地処分の安全評価に関する基礎的研究である。通気層中の放射性核種の挙動を明らかにするために、前報の小規模地中モデル装置による実験に引続き、中規模地中モデル装置による実験を行い、Cs,CoおよびSr-Yについて、通気層中での移動および分布を調べた。放射性核種の砂層中垂直方向への分布比は指数関数的な急激な減少を示す。このことは、放射性核種の大部分が最初の砂層、すなわち流下口付近の砂層に吸着されるためである。放射性核種の砂層中での二次元分布状況は次のようである;Csの砂層中での水平方向および垂直方向への移動はいずれも小さい。Coの砂層中での水平方向および垂直方向への移動はいずれも大きい。Sr-Yの砂層中での水平方向への移動は小さいが、垂直方向への移動は大きい。その分布はCsのそれに類似している。結局、放射性核種相互間の移動と分布の違いは、それら核種の化学形(イオン形或いは非イオン形)に起因することがわかった。
武部 愼一; 和達 嘉樹
JAERI-M 8044, 19 Pages, 1979/01
本報は放射性廃棄物の陸地処分の安全性評価に関する基礎的研究であり、通気層中の放射性核種の挙動を知るため、砂層モデル装置によりCo、CsおよびSr-Yの分配係数ならびに砂層中分布、砂層中移動速度を求めた。その結果、各核種の不飽和分配係数は、酸性の場合において大きく、中性およびアルカリ性の場合において小さい。放射性核種は流下に際して砂層表面層に大部分が吸着し、砂層深部に行くに従って、それらの分布比は指数関数的に減少する。井上らにより提案されている放射性核種の通気層中移動を表わす式により、核種の移動速度を算出した。それによると、酸性における各核種の移動速度は小さく、アルカリ性の場合は大きい。しかし、水の移動速度に比較するとかなり小さい値であり、Coで約1/100、Csでは約1/10,000、Sr-Yでは約1/1,000である。